ゲオルグ・バゼリッツ(1938〜)は旧東ドイツ出身の画家。本名はハンス・ゲオルク・ケルンという。新表現主義の代表的なアーティストである。初期には人体や動物の身体を切断し、不自然に再接合した「破損絵画」と呼ばれるジャンルを開拓。1969年以降は絵の向きを上下逆さまにする手法を確立、現代に至るまで作品の多くが「逆さま」のイメージとして描かれている。バゼリッツが頭角を現した1960年代以降のアートといえば、コンセプチュアル・アートや純粋な抽象画たるミニマル・アートなどが主流となりつつあったが、バゼリッツは具象絵画にこだわり続けた。バゼリッツの絵画は荒々しく攻撃的で、現実の文脈や自身のことさえも絵画には持ち込まない。西洋絵画の歴史が紡いできた「絵の見方」を「転倒」させ、私たちに新たな視座をもたらす。絵画は絵画であり、自由で自律した存在であることをバゼリッツは示し続けている。
本書は2018年にスイスのバイエラー財団が企画・開催したバゼリッツの大回顧展に併せて刊行されたモノグラフ。1960年代から2017年までに制作された絵画・彫刻・版画作品を紹介。1980年のヴェネツィア・ヴィエンナーレに展示され、右手を掲げる様子がナチスドイツを想起させることから、大きなスキャンダルを巻き起こした彫刻も掲載。あらゆるものに反駁し、独自のスタイルを築き上げてきたゲオルグ・バゼリッツというアーティストを知る、重厚長大な一冊である。
ハードカバー、大型本
267ページ、280×320mm(横×縦)
言語:ドイツ語
刊行年:2018年
出版:HATJE CANTZ
備考:図版199点
状態:新品
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