











アメリカの画家、フランク・ドゥフェネク(Frank Duveneck、1848〜1919)の画集。アメリカのドイツ移民の家に生まれ、ミュンヘン美術院で絵画を学ぶ。ドイツの写実主義画家ヴィルヘルム・ライブルに師事し、オランダの巨匠ディエゴ・ベラスケスやフランス・ハルス、フランドル派の画家に大きな関心を寄せる。全体的にやや暗い色調で、人物の表情をきめ細やかに捉え、17世紀のオールドマスターと19世紀ドイツの技法が融合した折衷的なスタイルを確立した。ミュンヘンの美術学校で教鞭を取り、弟子にはエリザベス・フォーブス、ジョン・ホワイト・アレキサンダー、ジョセフ・デキャンプなどの画家がいる。イタリア旅行の際にはヴェネツィアでジェームズ・マクニール・ホイッスラーと知り合いになる。その後ドゥフェネクの画風は、色彩が鮮やかに背景もより明るいものに変化した。ヨーロッパを離れると、オハイオ州のシンシナティに拠点を移し、同地の美術学校で教鞭を取りながら晩年まで過ごした。
本書は、2020年にシンシナティ美術館で開催されたドゥフェネクの回顧展に併せて刊行されたカタログとなっている。ドゥフネクの代表作である『口笛を吹く少年』(1872年)をはじめとする初期のリアリズム傾向にあった作品から、イタリアの風景やホイッスラーに影響を受け、印象派のような画風に変化した後期の作品まで、その画業の全貌に迫る。
【詳細】
ハードカバー / 280ページ / 240×279mm(横×縦) / 言語:英語 / 刊行年:2020年 / 出版:Giles / 状態:新品
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