ハリエット・バッケル(1845〜1932)はノルウェーの画家。ノルウェー南部の海岸沿いの街ホルメストランドに生まれる。29歳で本格的な画家修行のためミュンヘンに赴き、その後パリに移住する。パリではレオン・ボナやジャン=レオン・ジェロームに師事。モネをはじめとするフランス印象派の色彩と光の効果に影響され、画風が大きく変化する。『青い室内』(1888年)に代表される室内画では、カーテン越しに屋外の光が室内を満たす時の微妙な色彩の変化を繊細に捉えている。肖像画や風景画も手がけたが、主な関心は室内や教会の内部といった「内」の世界であった。ノルウェーに帰国した後はクリスチャニア(現在のオスロ)で絵画学校を開校し、男女問わず後進の育成に尽力した。バッケルは男性中心的な美術界に果敢に挑戦しながら「偉大な女性画家」というロールモデルを確立し、女性が芸術家として大成する道を切り拓いたのである。
2023年にオスロ国立美術館でのハリエット・バッケル展の開催に伴い刊行されたカタログ。展覧会はストックホルム国立美術館、オルセー美術館(今年9月より開催)、コーディー・ベルゲン美術館を順に巡回予定。展覧会ではノルウェーの近代絵画の発展に多大なる功績を残した先駆者としての側面を強調している。本書では西洋美術史において重要な役割を果たしたバッケルの生涯、作品、及び功績を網羅的に紹介する。
【詳細】
ハードカバー / 240ページ / 220×280mm(横×縦) / 言語:英語 / 刊行年:2020年 / 出版:Hirmer / 図版:248点 / 状態:新品
【出版社ページ】
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