イタリアのフォトグラファー、マルコ・リガモンティ(Marco Rigamonti、1958〜)の作品集。作家はフランス南部のカマルグで原初の世界を目にした。そこは水域と土地が力強く融合し、純粋な陽光に照らされた場所だった。リガモンティが捉える風景は静寂に包まれ、一見矛盾した光景のように映る。誰かがその場所に存在していたが、その痕跡は場所が形を変えるよりも早く消え去ってしまう。そこは未開の自然とユーモアが共存する地形が広がり、強情で、自由で、ある種の狂気を宿したものたち全てに開かれていた。カマルグの文化の痕跡は確かに残っており、その土地の人々のエートス(精神)を存続させようとする意思が感じられる。リガモンティの写真に漂う緩やかな無気力感と柔らかい皮肉は、ここに純粋なアイデンティティは存在せず、あるのはただ遊びであるという写真家の確信を物語っている。
【詳細】
ハードカバー / 116ページ / 240×320mm(横×縦) / 言語:英語、フランス語 / 刊行年:2024年 / 出版:Hurtwood Press / ISBN:9782492696138 / 状態:新品
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