ルネ・マグリット(1898〜1967)が40代に差しかかる頃、予期せぬ変化が訪れる。1926年から1938年の間に象徴的なシュルレアリスム様式を磨き上げたこの画家が、突如としてそれまでの作風とは全く異なる作品を描き始めたのだ。まず彼は印象派の美学を取り入れ、ピエール=オーギュスト・ルノワールの甘美で霞がかった色彩を借用しながら「光のシュルレアリスム」を自称した。その後、再び画風は変容し、ポピュラーなイメージやフォーヴィスムのような鮮烈な色彩、さらには表現主義的な筆致までも取り込む。そして、何事もなかったかのように古典的な画風へと立ち戻っていった。
本書は、1940年代の作風の模索期を経て制作されたマグリットの作品に焦点を当て、彼の絵画に対する変化する姿勢を明らかにする。本書で取り上げられるテーマには、ルノワール風の「ルノワール期」、アメリカではあまり知られていないフォーヴィスムや表現主義的要素を持つ「ヴァシュ期」(période vache)の作品群、「物体の肥大化」というコームやグラスなどの日用品が巨大化したシリーズ、そして昼と夜が同時に存在するかのような印象を与える謎めいた『光の帝国』シリーズが含まれる。本書では約50点の油彩画と十数点の水彩作品を収録したフルカラーの図版を通して、20世紀の美術史におけるマグリットの独自の位置づけを新たに理解する機会を読者に提供している。
【詳細】
ハードカバー / 152ページ / 203×274mm(横×縦) / 言語:英語 / 刊行年:2018年 / 出版:D.A.P./San Francisco Museum of Modern Art / 図版:105点 / ISBN: 9781942884231 / 状態:新品
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