ジェームズ・マクニール・ホイッスラー(1834〜1903)は、アメリカに生まれ、少年期をサンクトペテルブルクで過ごし、成人後はパリとロンドンを拠点に活動したコスモポリタンな画家。『灰色と黒のアレンジメント No.1――画家の母の肖像』や、テムズ川を描いた『ノクターン』の連作で広く知られる。
肖像画、素描、版画、室内装飾までを行き来しながら、「芸術のための芸術」を掲げ、ヴィクトリア朝の慣習とたびたび衝突した。演出、自己発信、風刺、スキャンダルまで動員する自己プロデュースの手つきは、後の芸術家の身の振り方を先取りしていた面もある。
本書は、2026年5月から9月にかけてテート・ブリテンで開催されている大規模回顧展の公式カタログ。テート・ブリテン、ファン・ゴッホ美術館、メスダハ・コレクションによる共同企画で、ヨーロッパでは約30年ぶりとなる本格的なホイッスラー展である。
10代を過ごしたサンクトペテルブルク時代の作例から、晩年の謎めいた自画像までを幅広く収録。世界的に知られた代表作に加え、これまで展示される機会の少なかった作品も紹介し、絵画、肖像、素描、版画、デザインへと広がる制作の全体像を辿る。
論考には、ホレイス・D・バラード、アレクシス・クラーク、ジェイムズ・フィンチ、マーガレット・マクドナルド、パトリシア・ドゥ・モンフォート、ダニエル・E・サザーランド、ジョイス・H・タウンゼンドら国際的な研究者が参加。ホイッスラーと日本美術との交流については、ジャポニスムとホイッスラー研究を専門とする小野文子が論じている。編者のキャロル・ジェイコビは、テート・ブリテンで1850〜1915年の英国美術を担当するキュレーター。
【詳細】
ハードカバー / 224ページ / 225×270mm(横×縦) / 言語:英語 / 刊行年:2026年 / 出版:Tate / ISBN: 9781917055109 / 状態:新品
【展覧会】
「James McNeill Whistlery」
2026年5月21日〜9月27日
テート・ブリテン(イギリス)
https://www.tate.org.uk/whats-on/tate-britain/whistler
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