エル・リシツキー(El Lissitzky、1890〜1941)は、ロシア・アヴァンギャルドを代表する作家の一人。建築、グラフィックデザイン、タイポグラフィ、絵画を横断して活動し、1919年頃からスイスの美術界や、同じ志向をもつ作家たちとも交流を持っていた。
1924年から25年にかけて、リシツキーは肺結核の治療のため、スイス・ティチーノ州で数か月を過ごす。療養中でありながら、この時期には建築、写真、出版、タイポグラフィの分野で重要な作品を次々と生み出した。ジャン・アルプと共同で編集・執筆した『Die Kunstismen(芸術のイズム)』は1925年にスイスの出版社から刊行され、1920年代の前衛芸術を整理した重要な出版物となった。リシツキー自身が手がけた大胆な誌面設計も、後のタイポグラフィやグラフィックデザインに大きな影響を与えている。
同じ時期には、スイスの前衛建築誌『ABC. Beiträge zum Bauen』の編集にも参加した。建築家マルト・スタムやハンス・シュミットらとともに、新しい建築や都市のあり方をめぐる議論にも関わっている。
本書は、当時リシツキーを受け入れたスイスの側から、彼の活動を見直す一冊である。建築、タイポグラフィ、グラフィックデザイン、芸術家・理論家としての側面、そしてスイスとの関係というテーマごとに章を構成。
図版には、スイスの美術館が所蔵するリシツキーの主要作品を初めてまとめて収録。そのなかには、ジュネーヴ美術・歴史博物館が所蔵する、これまで未公開だったポートフォリオの一部も含まれる。
【詳細】
ソフトカバー / 160ページ / 210×265mm(横×縦) / 言語:英語 / 刊行年:2026年 / 出版:Scheidegger & Spiess / 図版:95点(カラー70点、モノクロ25点) / ISBN: 9783039422906 / 状態:新品
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