本書は、世界で最初に外部の現実の模倣を拒否した芸術家の一人であるフランティシェク・クプカ(1871〜1957)の絵画と理論を考察した研究書である。彼は具象芸術から抽象や無対象への移行に関して、独自の理論と用語を展開している。本書の5つの章では、クプカが自身の創作の始まりとして常に置いた絵画『ビブリオマン』(1897年)を描いた19世紀後半から、晩年の重要な作品『独立した白』(1953年)を描いた20世紀後半まで、クプカの作品とその運命に迫る。各節では、現実の現象や人間像を表現する様々な方法、表面的な意味とcosa mentale(心的なもの)という表現との対照、基本色から補色への変化、などのトピックを取り上げている。クプカは身体、魂、精神とどう関わったか、その接点を明らかにする理論的な枠組みは、「心の目」から独自の世界を生み出したクプカの遺産である。この遺産は当時の美学や哲学、知覚理論や精神医学という豊かな文脈に位置づけられている。初期の風刺画や象徴主義の時代を経て、「心の目」のままにオリジナルの芸術を生み出したクプカの世界を解き明かす。
※Mentis oculisとはラテン語で「心の目」「心眼」という意味。
ハードカバー、クロス仕様
262ページ、165×240mm(横×縦)
言語:チェコ語
刊行年:2022年
出版:Arbor vitae
備考:図版88点(オールカラー)
状態:新品
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