本書は、アナ・アンガ(1859〜1935年)の英国初の大規模展覧会に合わせて刊行された図録である。
アナ・アンガはデンマーク美術史上、最も重要な女性画家のひとりとして位置づけられているものの、国外ではほとんど知られていない。ユトランド半島最北端の漁師町スケーエンで生まれ育ち、その町の人々や日常を生涯にわたって描き続けた。スケーエンの画家コロニーの中心人物として、スカンジナビアの近代絵画を牽引した存在でもある。
パリへの留学を経て、フランス印象派の影響を吸収しつつも、アンガの絵画はコペンハーゲンでもパリでもなく、あくまでもスケーエンの光と空気に根ざしている。室内に差し込む光、窓越しの白い明るさ。彼女の絵では、光そのものが画面の主役となる。『青い部屋の陽光』(1891年、画像6枚目)は、その到達点のひとつだ。
展覧会にはスケーエン美術館およびヒルシュスプルング・コレクションからの貸出作品を含む40点以上が並んだ。初期の傑作から晩年の作品まで、長いキャリアを通じた仕事を一望できる。
デンマーク国外では、まだ十分に知られていない画家の仕事に、改めて向き合う機会となる一冊。
【店主コメント】
アナ・アンガは夫のミケール・アンガ(1849〜1927)とともに「スケーエン派」の代表的画家として知られます。アナはハマスホイのような室内画を得意としましたが、その色彩は光の温もりに満ちており、安らかな気持ちにさせてくれます。デンマーク絵画の重要人物でありながら、国外での展示の機会は乏しかったものの、北欧絵画の再熱と女性画家再評価の波も相まって、2025年にようやく英国初の個展が開催されました。いつか日本でも目にしたいものです。
【詳細】
ソフトカバー / 160ページ / 240×280mm(横×縦) / 言語:英語 / 刊行年:2025年 / 出版:Dulwich Picture Gallery / ISBN:9783907493090 / 状態:新品
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