










アンゼルム・キーファー(1945〜)はドイツの現代美術家。1970年代末から80年代にかけて興った「新表現主義」の代表的なアーティストである。1969年、ヨーロッパ各地でナチ式敬礼をする自身を撮影した写真シリーズ「占拠」を発表。ナチス・ドイツの忌まわしい歴史を正面から炙り出したこの作品は当時物議を醸し出した。1980年代以降は、縦横3メートル近くある巨大なカンヴァスに藁などの植物を固着させた絵画シリーズを展開。本棚に鉛で出来た本を収めた彫刻といった、素材の物質性に着目した作品を制作している。現在は南仏のバルジャクに200エーカーの広さを誇る広大なアトリエを構え、敷地全体が作品制作の場であり展示空間にもなっている。2024年にはヴィム・ヴェンダース監督によるドキュメンタリー映画『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』が公開。
2018年にタデウス・ロパック(パリ・パンタン)で開催されたアンゼルム・キーファーの個展「Für Andrea Emo(アンドレア・エモに捧ぐ)」に併せて刊行されたカタログ。約20点の絵画と3点の彫刻作品で構成された本展は、記憶の堆積と時間の循環をテーマに、破壊と再生というキーファー芸術の根幹に迫る試みである。鉛を溶かして過去の絵画に注ぎ込むという儀式的な制作行為により、既存のイメージは覆され、風景の断片や炭化した痕跡とともに新たな層が画面に現れる。それは、傷を負いながらも再び立ち上がるパリンプセストのような絵画であり、時間そのものの物質化でもある。本展は、ニヒリズム的思索を展開したイタリアの哲学者アンドレア・エモ(1901〜1983)に捧げられており、否定と断片によるその独特の思考とキーファーの制作理念が深く響き合う。カタログの冒頭には、キーファーがギャラリー宛てに綴った書簡が日付ごとに掲載され、制作風景の写真とともに、思考と実践が交差するプロセスを明らかにしている。
【詳細】
ハードカバー / 107ページ / 305×273mm(横×縦) / 言語:ドイツ語・英語 / 刊行年:2019年 / 出版:Galerie Thaddaeus Ropac / 図版:43点 / ISBN:9782910055752 / 状態:新品
【展覧会】
「Anselm Kiefer: Für Andrea Emo」
2018年2月11日〜6月9日
Thaddaeus Ropac Paris Pantin(フランス・パリ)
https://ropac.net/exhibitions/83-anselm-kiefer-fur-andrea-emo/
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