2021年にニューヨーク州バッサー大学付属のフランシス・レーマン・ローブ・アート・センターで開催された「Women Picturing Women」展に併せて刊行されたカタログ。17世紀から1960年代にかけて女性芸術家たちが「女性」をどのように描き、見つめてきたか、その眼差しの変遷を辿る。
かつて女性にとって表現の場は、室内や庭といった親密な「私的空間」にとどまっていたが、20世紀以降には路上やオフィス、さらには社会批評といった知的な「公的領域」へと広がった。この二つの「場」が本書のキーテーマとなっている。描かれたのは家族や友人、あるいは鏡の中の自分自身。そこには、時に日常を慈しみ、時に一歩外へと踏み出して自らのアイデンティティを模索し続けた、女性たちの真摯な姿が映し出されている。
表紙を飾るのは、アメリカの画家ヒルダ・ベルチャー(1881〜1963)が描いた若き日のジョージア・オキーフ(1887〜1986)の肖像画(1907年)である。自立した女性像として自信に溢れた佇まいにある。「新しい女性(New Woman)」の姿を捉えたエリザベス・レベッカ・コフィン(1850〜1930)や、華々しい色彩と前衛的な配置でニューヨークの世界を描いたフローリン・ステットハイマー(1871〜1944)など、知られざる女性芸術家たちは、独自の地平を切り開いた。
肖像画や日常の景色、20世紀に大きなムーブメントを形成したドキュメンタリー写真まで。女性が女性を「描く(映す)」という行為に込められた、慈しみや孤独、そして自立への願い。これまで見過ごされてきた女性たちの鋭い視点を丁寧に掬い上げる好著となっている。
【詳細】
ハードカバー / 156ページ / 237×273mm(横×縦) / 言語:英語 / 刊行年:2021年 / 出版:Frances Lehman Loeb Art Center, Vassar College / 図版:105点 / ISBN:9781646570218 / 状態:新品
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