2025年にウィーンのレオポルト美術館で開催されたエゴン・シーレ展のカタログ。28歳で早逝したエゴン・シーレ(1890〜1918年)の最期の4年間の作品に焦点を当てている。
シーレといえば、1910年から1913年頃にかけての初期作品、歪んだ人体表現と鋭角的な線が思い浮かぶ。しかし1914年以降、彼の絵画は大きく変わる。開戦、エディット・ハームスとの結婚、軍隊生活。それらの経験を経て、線はより有機的で流動的になり、人物描写には他者への深い共感が宿るようになった。この変化は、初期作品の知名度に隠れて、これまでほとんど注目されてこなかった。
本書では妻エディットの日記(1915〜1918年)をなんと全文収録。結婚3日後に夫が徴兵されたエディットは、スケッチブックとして贈られた冊子に、孤独と不安と日々の記録を書き続けた。その日記は、シーレがいかに妻の感情の機微に向き合い、肖像画に反映させていったかを伝える、もうひとつの証言でもある。
晩年のシーレは1918年のウィーン分離派展の企画を担うまでになり、生と死と復活をテーマにした寓意的ヌードの連作「霊廟サイクル」に着手した。しかし同年10月、スペイン風邪で急逝。連作は未完のまま残された。
初期の強烈なイメージの陰に置かれてきた、シーレのもうひとつの顔を辿る一冊。
【詳細】
ハードカバー / 336ページ / 238×285mm(横×縦) / 言語:英語 / 刊行年:2025年 / 出版:Leopold Museum / ISBN:9783753308166 / 状態:新品
【展覧会】
「Egon Schiele: Last Years」
2025年3月28日〜7月13日
レオポルト美術館(ウィーン)
https://www.leopoldmuseum.org/de/ausstellungen/digitale-ausstellungen/egonschiele/en
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