本書は、2017年にテート・ブリテンで開催されたデイヴィッド・ホックニーの大規模回顧展に合わせて刊行された図録。学生時代の作品から2016年の新作まで、200点以上を収録し、約60年にわたる画業を一冊で俯瞰する。
デイヴィッド・ホックニー(1937〜2026)は、戦後イギリスを代表する画家のひとりである。1960年代初頭には、抽象表現主義の影響を残した画面に文字や記号を取り入れ、同性愛をめぐる個人的な感情を描いた。その後ロサンゼルスへ移ると、強い陽光、スイミングプール、近代建築、友人や恋人たちの姿を、明快な輪郭と透明感のある色彩で表現するようになる。『大きな水しぶき』(1967年)や、表紙を飾る『芸術家の肖像(プールと二人の人物)』(1972年)は、この時期を代表する作品である。
ホックニーは、同じ画風を繰り返す画家ではなかった。肖像画では人物同士の距離や室内の空気を描き、風景画では道や木々の広がりを、一点透視図法とは異なる方法で表そうとした。1980年代には、異なる位置と時間に撮影した写真を組み合わせる「ジョイナー・フォト」を制作。ひとつの視点から切り取られた写真では捉えられない、視線の移動や時間の経過を一枚の画面に取り込んだ。
その関心は、後年の制作にも引き継がれている。ヨークシャーに戻ってからは、同じ土地を繰り返し訪れ、季節によって変化する光や植物を、油彩、水彩、素描によって描いた。iPhoneやiPadも新たな描画道具として早くから採用し、戸外で目にした光景をその場で記録した。さらに、複数のカメラで同じ場所を撮影するマルチスクリーン映像では、風景のなかを移動する時間と、同時に存在する複数の視点を映像として示している。
本書では、初期の実験的な絵画、ロサンゼルスのプールと人物像、親しい人々を描いた二人肖像、写真によるコラージュ、ヨークシャーの風景、iPadドローイング、マルチスクリーン映像までを年代に沿って紹介する。よく知られた代表作だけでなく、各時期の転換を示す作品を並べることで、新たな技法が突然現れたのではなく、それ以前の試みから発展してきたことが分かる。
編者のクリス・スティーヴンスは、刊行当時、テート・ブリテンの展示部門責任者および英国近代美術主任学芸員を務めていた美術史家。20世紀イギリス美術を専門とし、ヘンリー・ムーア、フランシス・ベーコン、バーバラ・ヘップワースらの展覧会や研究に携わってきた。アンドリュー・ウィルソンは、同館で現代美術とアーカイブを担当した学芸員で、イギリス戦後美術やコンセプチュアル・アートを研究してきた。
ホックニーの2016年までの画業と、絶えず更新された制作手法を体系的に辿るための、包括的な図録。
【詳細】
ソフトカバー / 352ページ / 216×292mm(横×縦) / 言語:英語 / 刊行年:2014年 / 出版:Guggenheim New York / ISBN:9780892075126 / 状態:新品
【お届けについて】
ご入金確認後3営業日以内にヤマト運輸で発送いたします。営業日15:00までのご注文は最短当日での発送が可能です。土日祝日は発送をお休みさせていただいております。
北海道や沖縄、その他の離島地域にはご指定の日時にお届けできない場合がございます。
発送が完了しましたらメールにて通知いたします。
【注意事項】
弊店でお取り扱いしている書籍は海外より直輸入しているため、輸送の際に微小な傷や角潰れが発生する場合がございます。あらかじめご了承ください。
ご注文後のキャンセルは原則不可とさせていただいております。
お客様都合(イメージとの相違、注文を間違えた等)による返品はご遠慮いただいております。特別な事情がございましたら弊店までお問い合わせください。なお返品にかかる送料はお客様ご負担となります。
お届けした商品が注文内容と異なる、または書籍に著しい破損やページの破れ、落丁・乱丁等がある場合は、弊店責任となります。返品・交換にかかる送料は弊店が負担いたします。
書籍の詳細(図版の点数や大きさ、特定の作品の収録の有無など)について、ご質問があればお気軽にお問い合わせください。